神楽坂の魅力といえば、やはりその独特の路地裏の風情。
表通りから一歩踏み入れるだけで、京都を思わせるような石畳や、歴史を感じさせる木造の建物が現れます。
日本人にとっては「懐かしさ」、フランス人にとっては「故郷の片田舎のよう」と評されるこの町は、どこか心が落ち着く不思議な空気を持っています。
そんな神楽坂の一角、赤城元町に佇むのが、立ち呑み処「カド」。
古い一軒家の土間をそのまま生かした店内は、まるで誰かの家にふらりとお邪魔したような気分になります。
本日のお品書き
この日いただいたのは、以下の4品。
- 茄子の揚げ浸し
- 手羽先と冬瓜の黒酢煮
- 牛タタキ
- きゅうりのぬ漬け
どれも味がしっかりしていて、思わずお酒が進むラインナップです。
料理
茄子の揚げ浸し

出汁の旨みがしっかりと染みた茄子は、口に入れるとじゅわっと広がる味わい。見た目も艶やかで、ビジュアル的にも満足。
手羽先と冬瓜の黒酢煮

炙った香ばしさの残る手羽先と、ほろっと柔らかい冬瓜が絶妙。黒酢の酸味は控えめで、料理全体にコクを与えてくれます。
牛タタキ

これが一皿500円というのは驚き。ネギ、辛子、ポン酢の組み合わせで、さっぱりと食べられます。思わずネギが主役かと思うほど香り高かったです。
お酒
ビール、日本酒ともに、価格と味のバランスがとても良いのが印象的でした。
生ビール

久しぶりの「とりあえずビール」でしたが、やっぱり夏のビールは格別。
泡もきめ細かく、注ぎ手の丁寧さが伝わってくる一杯でした。
写楽

少し甘めの旨口。料理に寄り添うような存在感で、日本酒初心者にもおすすめ。
楽器正宗

こちらは写楽に比べてスッキリとした口当たり。何にでも合わせやすい万能型。立ち呑みながらも、しっかりと日本酒を楽しめるのは嬉しいポイント。
たった8席の小宇宙。タイミングが全て
「カド」の立ち呑みスペースは、わずか4畳半ほど。最大8名までの営業で、混雑時は入店を断られることも。
この日は土曜日の14時過ぎに訪問。先客は2組でしたが、すぐに満席となり、その後のお客さんはお断りされていました。
ちなみに、滞在時間は最大90分とのこと。
回転が早いため、タイミング次第でスムーズに入れることもあります。時間に余裕があれば、一度覗ありです。いてみて再訪するのも
昭和のお座敷がちらりと顔を出す
昭和の宴会場を彷彿とさせるたたずまいで、思わず「昔はこうだったなあ」と懐かしくなります。
畳にお膳、ちゃぶ台といった風景は、今となっては貴重な文化遺産かもしれません。
神楽坂で“立ち寄りたくなる”一軒
神楽坂をふらっと歩いていて、ちょっと一杯飲みたくなったとき。
「カド」はそんな欲求を心地よく受け止めてくれる、数少ない立ち呑みの名店です。
物価高の昨今、料理が300円というのは本当にありがたい。
味も雰囲気も値段以上。きっとまた、立ち寄りたくなることでしょう。
本日もご馳走さまでした。
店舗情報
店名:カド
住所:東京都新宿区赤城元町1-32
営業時間:
月〜金:15:00〜23:00
土曜日:14:00〜23:00
日・祝:14:00〜21:30
定休日:夏季休暇・年末年始
駐車場:近隣に有料駐車場あり
外部リンク:神楽坂カド・食べログ