金沢は何回か仕事で訪れたことはあるけれど、個人的な旅行で訪れたことは無く、今回初めて遊びで行くことが出来た。
兼六園、金沢城など金沢市には観光名所が随所にあり見どころが沢山ある。
今回は予てから行きたかった「ひがし茶屋街」に訪れてみた。
当日は生憎の雨で、やや底冷えのする最悪の日にも関わらず、ひがし茶屋街は結構な人で賑わっていました。
金沢市には「弁当忘れても傘忘れるな」と言う言葉があるくらい雨が多いので、ある程度は予想していたが、矢張り名言通りの展開となってしまった。
金沢には市内を走るバスが多く、余り待ち時間無しに乗ることが出来、楽に市内観光をすることが出来る利便性の高い市だと感じる。
1日乗車券(600円)を買えば、その日は何度でもバスに乗り降りすることが出来る。計算上3回以上バスに乗れば元が取れてしまう。
尤も一日金沢市内観光をすれば、3回以上はバスに乗ることになると思うので「1日乗車券」は必須のアイテムである。
実際多くの観光客はこの乗車券を利用しているのが見てわかる。
先程の金沢の名言で「弁当忘れても傘忘れるな」とあるように、金沢は雨の確率が高い地域てある。
そこで市には傘をレンタルしてくれる面白いサービスがあるようだ。
今回は利用しなかったが、市内の幾つかの移設や店舗にレンタル傘が置いてあり、急な雨が降った時傘を借りられるサービスだとのこと。
雨の多い金沢ならではのサービスだと思う。
さて、今回の旅行の目的の一つ「ひがし茶屋街」だが、金沢にはお茶屋文化がある。
お茶屋と言えば京都をイメージするが、金沢にも「ひがし茶屋街」「にし茶屋街」「主計町」と合わせて「金沢三茶屋街」と呼ばれているお茶屋がある。
江戸の街並みを色濃く残した風情ある街並みが魅力となって多くの観光客で賑わっている。
これも大東亜戦争の時、金沢市は一度も空襲に遭わないまま終戦を迎えたため、昔の風情ある街並みが今でも残っている理由なのだろう。
東京でも「神田やぶそば」がある神田須田町界隈も空襲を免れた地区のため、当時を偲ぶ建物が幾つか残っている。
ところでお茶屋とは、芸姑や舞妓などを呼んで遊ぶ場所のことで、決して喫茶店の様にお茶を飲みに行く場所ではない。
それ故、江戸時代には裕福な商人や町衆の社交場だったし、お茶屋も「一見さんお断り」で、客の紹介無しには入れない処である。
そんなお茶屋を一般の人にも観光用で公開しているお茶屋がある。
そこで今回、お茶屋の雰囲気を体験出来る観光スポットの「志摩」へ行ってみた。
建物は江戸時代の文政三年(1820)に建てられ、国指定重要文化財に指定されている。梁など基礎的な部分は当時の状態を今も保っているとのこと。
入口で入館料を払い、手荷物などはロッカーに入れて建物内を見学します。
見学順路は決まっていて、案内に沿って各部屋を見学する。
ただ見て終わりかと思ったら、客間ではガイドのおじさんが独特な喋り口調でお茶屋について色々丁寧に説明してくれる。
これは結構楽しい。
それにしても今から二百年も前に建てられたとは思えないほどしっかりとしていて当時の建築物の技術の凄さがわかる。
また「志摩」には「寒村庵」という坪庭を眺めながらお抹茶と和菓子をいただける施設がある。
入場する際、一緒にチケットを買っておいたので立ち寄ってみた。
入館料(500円)とは別に、お抹茶と生菓子付き700円、もしくは、お抹茶と干菓子付き500円を支払えば利用することが出来る。
生菓子付きを頂いたが、普段余り馴染みの無い和菓子はほんのり甘く上品な仕上がりになっている。
庭を見ながらお抹茶と和菓子を頂く。つくづくここは日本だと感じるひと時であった。
ひがし茶屋街を見て廻ると、着物を着て歩いている人の多いことに気付く。
これがまたこの街の風景に良く馴染んでいて、洋服を着ている我々の方が何だか場違いで、浮いた存在のような錯覚に襲われる。
まるで江戸時代の異人のようだ。
このあと訪れた主計町茶屋街もそうだか脇道に入ると何せ路地が細い。
雨で濡れた石畳なんかも何だか風情があって良い。
ちょっと寒いが難点だが。
今日はここでお昼ご飯を食べて、その後も少しぶらりしてから次の場所へ向かおうと思う。