日本で発生する台風と停電
ここ最近日本人の自然災害に対する意識が高まっています。
事前に備えることで、災害の影響を軽減し迅速な対応が可能になります。特に、ポータブル電源のような非常用の機器や避難場所の確認、緊急連絡網の整備など、具体的な対策を講じることが大切になって来ます。
台風を例にとって見ると過去10年間の台風の発生件数を見てみると年平均で24.8回発生しています。今年2024年に入って既に8回発生(2024年8月13日時点)しています。
年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年間 |
2023 | 1 | 1 | 1 | 3 | 6 | 2 | 2 | 1 | 17 | ||||
2022 | 2 | 1 | 3 | 5 | 7 | 5 | 1 | 1 | 25 | ||||
2021 | 1 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 4 | 4 | 1 | 1 | 22 | ||
2020 | 1 | 1 | 8 | 3 | 6 | 3 | 1 | 23 | |||||
2019 | 1 | 1 | 1 | 4 | 5 | 6 | 4 | 6 | 1 | 29 | |||
2018 | 1 | 1 | 1 | 4 | 5 | 9 | 4 | 1 | 3 | 29 | |||
2017 | 1 | 1 | 8 | 5 | 4 | 3 | 3 | 2 | 27 | ||||
2016 | 4 | 7 | 7 | 4 | 3 | 1 | 26 | ||||||
2015 | 1 | 1 | 2 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 | 4 | 1 | 1 | 27 |
2014 | 2 | 1 | 2 | 5 | 1 | 5 | 2 | 1 | 2 | 23 |
台風の発生に伴い大規模停電が引き起こされ何日も電気の無い生活を余儀なくされてしまいます。
この10年間で見てみるとそれぞれ年間で29回もの台風が発生した2018年、2019年では、2018年9月に発生した台風21号では、関西地方を中心に2週間にわたり最大約240万戸が停電、同月の台風24号では、中部および九州、沖縄地方を中心に1週間にわたり最大約180万戸が停電しました。
また、2019年9月に発生した台風15号(令和元年房総半島台風)では、関東地方を中心に2週間にわたり最大約93万戸が停電しました。特に千葉県においては広範囲に被害が起こり発生から1週間たっても8万戸が停電から復旧しませんでした。
このように日本では毎年のように自然災害が発生し、その度に命の危険や普段の生活が脅かされています。
そのような状況にならないことに越したことはありませんが、もし停電などになった場合でも極力普段の生活が出来るように災害に対して日頃から備えることは重要なことだと思います。
停電した時どんな備えをしたらよい?
停電時の備えとしては以下の対策が重要と考えます。
- 明かりの確保
- 懐中電灯やLEDランタン、ロウソクなどを用意しましょう。電池は常に新しいものを準備しておくと安心です。
- 食料と水の備蓄
- 缶詰やインスタント食品、非常用の水を常備しておきましょう。電気がないと冷蔵庫が使えなくなるので、すぐに食べられるものを準備します。
- 通信手段の確保
- モバイルバッテリーでスマートフォンを充電できるようにしておくと外部との連絡手段を維持できます。ラジオも情報収集に役立ちます。
- 家電の確認
- 停電時は電化製品のコンセントを抜いておくと電気が復旧した際の過電流による故障を防げます。
- 冷暖房対策
- 暑さや寒さ対策も重要です。停電時には扇子やブランケットを準備しておくと良いでしょう。
- 非常用ポータブル電源
- 必要な機器を一定時間動かせる容量のあるポータブル電源は、特に重要です。
これらの対策を事前に準備しておくことで、停電時の不便を最小限に抑えられます。
停電時の影響を考えてみる
最近はオール家電の住宅が多く、ソーラーパネルを屋根に設置する住宅が多くみられます。
東京都では2025年4月から新築住宅等へのソーラーパネルの設置を義務付けられる制度が始まり、賛否両論あるこの制度ですが、台風でソーラーパネルの破損被害があった場合、何の役にも立ちません。
特に台風の発生時期は7月から9月にかけて多くまだ暑い季節です。
運悪くそのような熱い時季に停電に見舞われてしまったら本当に最悪です。
昔に比べ真夏の気温が高くなり静岡や熊谷などでは40度を超えることもしばしば、そんな状況で停電になったらどんな影響が考えられるでしょうか。
- 蒸し暑い部屋
- エアコンが止まり、風も通らない部屋でじりじりと上がる気温に耐えなければなりません。
- 暗闇の中での不安
- 夜間の停電では、突然の暗闇が訪れ、足元もよく見えない状況になります。不意のつまずきや物にぶつかる危険性も増すでしょう。
- 食料の心配
- 冷蔵庫が機能しなくなり、食べ物の鮮度が落ちる恐れがあります。安全に食べられる食料がどれだけあるか不安になり、最悪食べるものがなくなってしまいます。
- 情報不足による孤立感
- テレビやインターネットが使えなくなると、外部の情報が得られなくなります。ニュースを知る手段が限られ、状況の把握が困難になってしまいます。
- 健康への影響
- 高温多湿な環境での長時間の停電は、特に高齢者や子どもたちにとって健康リスクが高まります。熱中症の危険性も増し、体調管理が難しくなる恐れがあります。
こう考えると如何に私たちの生活には電力が欠かせないものかわかります。
このような状況を避けるためにも、ポータブル電源や避暑対策の準備が大切です。しっかりと備えておくことで、少しでも不安を和らげることができます。
停電が発生した時の対応
真夏の停電が起きた場合、まず落ち着いて状況に対応するために次のような行動が挙げられます。
- 涼しい場所を確保
- まず、風通しの良い部屋や窓のある部屋で外気を取り入れるなど、体温を下げる工夫をします。可能であれば、冷たい水を浴びたり、濡れタオルで身体を拭くなどして体温を下げることも有効です。
- 水分補給
- 十分な水分を確保し、こまめに水を飲むようにします。スポーツドリンクや塩分のある水を飲むことで、汗で失われたミネラルを補うことも大切です。
- ポータブル電源の活用
- 事前に準備していたポータブル電源で、扇風機や必要最低限の家電を動かし、快適さを保つよう努めます。
- 家族や友人との連絡
- スマートフォンを活用して、家族や友人と連絡を取り合い、お互いの無事を確認し合います。また、近所の人々と協力して、困っている人がいないか確認することも重要です。
- 情報収集
- ラジオやスマートフォンを使って、地域の状況や停電の復旧見込みなどの情報を集めます。情報が入手できない場合でも、パニックにならないよう、冷静に行動することを心がけます。
- 避難場所の検討
- 長時間の停電が続く場合、近くの避難場所やクーリングセンター(冷房の効いた公共施設)に移動することを検討します。
災害時はやはり速やかに避難場所などに移動するなど、極力独りにならないようにすのが安全かと思います。
ポータブル電源があると安心
私たちは電気がないと生活する上でとても不便になります。衣食住すべてにおいて何かしら電気が必要です。
特に食と住が問題になって来ます。そこでポータブル電源が1台あると停電になっても電源を確保することが出来るのでいざという時の安心に繋がります。
災害時の必要性
- 緊急電源の確保
- 地震、台風、洪水などの災害時には、停電が発生することが多く、電力供給が一時的に途絶えることがあります。ポータブル電源があれば、スマートフォンやラジオなどの通信機器を充電して重要な情報を受信し続けることができます。
- ライフラインの確保
- 災害時には、冷蔵庫や医療機器など生命維持に必要な機器を稼働させることが重要です。ポータブル電源があるとこれらの機器を一定期間使用することが可能になります。
- 快適性の向上
- 災害時の生活環境は厳しくなることが多いです。ポータブル電源を利用すれば、照明や小型の家電製品を使うことで生活の質を向上させることができます。
災害以外の必要性
- アウトドア活動
- キャンプやバーベキュー、ハイキングなどのアウトドア活動では、電源が限られた環境が多いです。ポータブル電源があれば、照明・調理用具・冷蔵庫などを使用でき、アウトドア体験をより快適にします。
- 移動時の利便性
- 車中泊や長距離移動中に、ポータブル電源があると、ノートパソコンやタブレットなどの電子機器を使用し続けることができ、移動中の作業や娯楽をサポートします。
- 職場での使用
- 屋外での作業や展示会など、コンセントがない場所での電源確保が必要な場合に、ポータブル電源は便利です。工具や照明器具などの電源を供給し、作業効率を向上させます。
ポータブル電源は、非常時やアウトドア活動に限らず、日常生活の様々な場面で役立つツールとなります。電力供給が必要なあらゆる状況で柔軟に対応できるため、多くの人にとって重要な備えと言えます。
どのようなポータブル電源が必要なの?
そこで災害時においてどのようなポータブル電源が必要なのでしょうか。
災害時の停電に備えるための対策
- 電力需要の把握
- まず、災害時に使用したい機器や家電の電力消費量を把握することが大切です。例えば、スマートフォン、ノートパソコン、LED照明、冷蔵庫、医療機器など、それぞれの消費電力(ワット数)を確認しましょう。
- 使用時間の見積もり
- 次に、各機器をどれくらいの時間使用したいかを見積もります。これにより、必要なバッテリー容量(Wh=ワット時)を計算することができます。
ポータブル電源のスペックについて
1. 必要な容量(Wh)
- スマートフォン充電: 5W程度、1日で約10Wh
- ノートパソコン: 50~100W程度、1日で約200Wh
- LEDライト: 10W、1日で約30Wh
- 小型冷蔵庫: 50W、1日で約600~800Wh
災害時に最低限必要な機器を使用する場合、500Wh以上の容量が推奨されます。家族全員で複数の機器を長時間使用する場合は、1000Wh以上の容量があると安心です。
2. 出力の確認(W)
- 出力が低いと、大容量の電気機器を同時に動かすことができません。一般的に300W~1000W程度の出力があれば、ほとんどの家庭用電気製品に対応できます。
一般的に購入されているポータブル電源のスペック
- 容量(Wh)
- 災害時の備えとして人気が高いのは、500Wh~1000Whの容量を持つモデルです。これらの容量は、スマートフォンやノートパソコンの充電、照明の使用、緊急時の短時間の冷蔵庫使用などに適しています。
- 出力(W)
- 300W~500W程度の出力を持つモデルが一般的です。これにより、複数の機器を同時に使用でき、災害時に多用途に対応可能です。
災害時の停電に備えるためには、使用する機器に合わせてポータブル電源の容量と出力を選ぶことが重要です。一般的には500Wh~1000Wh、300W~500W程度のスペックがあれば、多くの家庭のニーズを満たすことができます。しかし、より大きな電力需要がある場合には、さらに高容量・高出力のモデルを検討することが推奨されます。
ポータブル電源のブランドについて調べてみました
そこで幾つものあるブランドの中から次の4ブランドのポータブル電源について調べてみました。
- Jackery
- ALLPOWERS
- PowerArQ
- Pecron
これらブランドの特長と強み弱みをまとめたのがこちらです。
ブランド | 特長 | 強み | 弱み |
Jackery | ・コンパクトでポータブル性に優れる ・幅広い容量のモデルラインナップ ・ソーラーパネルとのセット販売が充実 | ・信頼性が高く、ユーザー評価が高い ・高効率の充電機能 ・専用アプリでの管理が可能 | ・高価格帯の製品が多い ・一部のモデルは出力が低め |
ALLPOWERS | ・高出力・大容量モデルが豊富 ・多機能なポートと充電オプション(AC、DC、ソーラー) | ・コストパフォーマンスが良い ・大容量バッテリーを搭載 ・ソーラーパネルとの互換性が高い | ・製品によって重量がある ・一部モデルの品質にバラつきがある |
PowerArQ | ・日本製で信頼性が高い ・スタイリッシュでデザイン性に優れる ・安全性を重視した設計 | ・デザインが魅力的 ・日本製で安心感がある ・充実した安全機能を搭載 | ・ラインナップが少ない ・一般的に高価格帯 |
Pecron | ・高容量・高出力のモデルが中心 ・ソーラーパネル対応が充実 ・複数の出力ポートを装備 | ・高出力で多用途に対応 ・ソーラーパネルとの相性が良い ・コストパフォーマンスが良い | ・一部モデルが重量級 ・充電速度が遅い場合がある |
各ブランドのポイント
- Jackery
- 持ち運びやすく、信頼性が高い製品が揃っています。高評価の充電効率や管理用アプリが特徴です。高価格帯で出力が低いモデルがあるため、大型家電の使用には注意が必要です。
- ALLPOWERS
- 大容量・高出力モデルが豊富で、多機能性とコストパフォーマンスの良さが際立ちます。重量がある製品が多く、持ち運びには不便な場合があります。一部モデルに品質のばらつきがあります。
- PowerArQ
- 強み: 日本製であることが大きな信頼感を生み、デザイン性が高いです。安全機能が充実しています。製品のバリエーションが少なく、一般的に価格が高めです。
- Pecron
- 強み: 大容量・高出力モデルを中心に展開しており、ソーラーパネル対応や多機能性が魅力です。重量が重めで、充電速度が他社製品に比べて遅い場合があります。
Jackeryは信頼性とコンパクトさを重視する人に向いており、ALLPOWERSは大容量と多機能性を求める人におすすめです。PowerArQはデザインと日本製にこだわる人向けで、Pecronは高出力を求めるユーザーに適しているかと思います。
各ブランドの製品を比較してみました
ポータブル電源の推奨が500Wから1000Wなので各ブランドの該当製品を1点無作為にピックアップして比較してみました。
ピックアップした製品はあくまでも無作為なのでこれが良いというものではありません。製品の良し悪しはあくまでもご自身で判断してください。
今回ピックアップした製品は次の4点です。
・Generator 1000 New 100W
・PowerArQ Pro ポータブル電源 1002Wh
・ALLPOWERS大容量ポータブル電源R1500(1152Wh/1800W)
・PECRON E1000 ポータブル電源 1000W&1028Wh
そして主な用途やメリットデメリットをまとめたのがこちらになります。
製品名 | 価格 | 容量/出力 | 重量 | 主な用途と充電スペック | メリット | デメリット | ソーラーパネル対応 | セット販売の有無 | セールスポイント |
Generator 1000 New | 約¥80,000 | 1000Wh / 1000W | 10.8 kg | 小型家電の短時間使用に適しており、スマートフォン、タブレット、ノートPCの充電が可能。 | 軽量で持ち運びやすい 価格が比較的手頃 | 出力が低く、大型家電には不向き | 対応可 | ソーラーパネルセット販売あり | 持ち運びに便利な軽量設計 |
PowerArQ Pro ポータブル電源 1002Wh | 約¥132,000 | 1002Wh / 600W | 10.4 kg | スマートフォンやノートPCの充電に加え、小型の家電製品にも対応。 | スタイリッシュなデザイン 日本製で信頼性が高い | 出力が他社と比べ低め | 対応可 | 他製品でソーラーパネルセット販売あり | 日本製で高い信頼性 |
ALLPOWERS大容量ポータブル電源R1500 | 約¥150,000 | 1152Wh / 1800W | 16.7kg | 小型~中型家電製品を長時間使用可能。冷蔵庫、電動工具も対応。 | 高出力で多用途に対応 コストパフォーマンスが良い | 重量が重い | 対応可 | ソーラーパネルセット販売あり | 高出力で家庭用電源に近い使い勝手 |
PECRON E1000 ポータブル電源 | 約¥100,000 | 1028Wh / 1000W | 10.2kg | ノートPC、スマートフォン、冷蔵庫、テレビの長時間使用に適している。 | 高出力で汎用性が高い 多機能で信頼性がある | 充電速度が遅い場合あり | 対応可 | ソーラーパネルセット販売あり | 高出力でアウトドアや災害時に頼りになる |
各製品のポイント
- Generator 1000 New 100W
- 価格: 手頃で軽量。ソーラーパネルにも対応し、持ち運びやすさが特徴です。小型家電や緊急時の簡易電源として最適。
- PowerArQ Pro ポータブル電源 1002Wh
- 価格: 中価格帯。日本製の安心感があり、スタイリッシュなデザインが特徴。出力は抑えめですが、日常使いに十分なスペック。
- ALLPOWERS大容量ポータブル電源R1500
- 価格: やや高めですが、大容量・高出力で家庭用電源に近い使い勝手を提供。冷蔵庫や電動工具の使用も可能で、多機能性が売りです。
- PECRON E1000
- 価格: 手頃な価格で、バランスの取れた性能を持ち、アウトドアや災害時に重宝されます。高出力ですが、重量がやや重いのが欠点です。
これらの製品はそれぞれ異なるニーズに対応しています。軽量で持ち運びやすさを重視するならGenerator 1000 New 100W、信頼性とデザイン性を重視するならPowerArQ Pro、家庭用として多用途に使えるものが必要ならALLPOWERS R1500、バランスの取れた性能を求めるならPECRON E1000が選択肢としてお勧めです。
まとめ
自然災害時の停電は、生活に深刻な影響を与える可能性があります。特に真夏や冬の厳しい気候の中での停電は、健康リスクを伴い、不便さを増します。ポータブル電源は、こうした状況で電力を供給し、スマートフォンの充電や扇風機、冷蔵庫などの重要な家電を動かすことで、快適さと安全を維持するために不可欠です。災害に備えてポータブル電源を準備しておくことは、家族の安心と安全を守るための重要な対策です。以上参考になれば幸いです。
参考文献:気象庁 Honda発電機