日本には春夏秋冬の四季があり、その季節になると様々な野菜や果物や魚介類が旬を迎えます。それら食材は、一年を通してエネルギーが高く栄養豊富で、何よりも一番美味しく頂ける時期です。旬の食材を食べることで地球のエネルギーの循環サイクルに乗っかり、栄養価の高い食材を摂ることが出来ます。そうすることでいつまでも健康を維持することが出来るのでないかと考えます。では、睦月にはどんな旬の食材があるのでしょうか。
筍
日本人が筍を食べ始めたのは、縄文時代からで、縄文時代の遺跡から筍を食べていた痕跡が見つかったそうです。
平安時代になると宮廷料理として高級食材として扱われていたのが江戸時代になると庶民にも広まり一般的食材として食べられるようになりました。
そんな筍ですが意外と栄養価もあり、旬のこの時季は積極的に食べたい食材の一つでもあります。
筍の栄養と健康効果
筍は低カロリーで食物繊維が豊富なヘルシー食材。カリウムやアミノ酸も含まれ、次の様な健康や美容に良い効果が期待できます。
ダイエット&腸活に◎
【低カロリー&低脂質】食べ応えがあるのにヘルシー!そして食物繊維が豊富!腸内環境を整え、便秘を解消。
➡ ダイエット中の食事や腸活におすすめ!
②高血圧&むくみ予防
【カリウムが豊富 】体内の余分な塩分を排出し、むくみを解消!
➡ 塩分を摂りすぎがちな人やむくみやすい人に◎
脳の活性化&ストレス軽減
チロシンというアミノ酸が豊富。チロシンはドーパミンやノルアドレナリンの材料となり、脳を活性化!
➡ 集中力アップ&気分のリフレッシュに◎
免疫力&疲労回復サポート
ビタミンB群(B1・B2)がエネルギー代謝を助ける。たんぱく質も含まれ、免疫力を高める効果あり。
➡ 疲れやすい人やスポーツをする人に◎
筍の料理 ― 筍、春の息吹を味わう
春先、市場に並ぶ筍を見れば、つい手を伸ばしてしまう。泥付きのそれを抱え、家に帰る道すがら、どう料理しようかと考えるのもまた愉しみのひとつだ。筍は、掘りたてが何より美味い。時間が経つほどにえぐみが増すため、手に入れたらすぐに下茹でし、じっくりと味を染み込ませるのが肝要である。江戸の昔より、庶民の食卓にも馴染み深いこの食材を、今日は粋にいただくとしよう。
筍の土佐煮
筍料理の定番といえば、やはり土佐煮だろう。出汁に醤油、みりんを加え、じっくりと炊く。仕上げに削りたての鰹節をふんわりと乗せれば、それだけで風味豊かな一品となる。冷やしても美味いが、炊きたての温かいものを肴に、ぬる燗を傾けるのもまた一興である。
材料(4人分)
- 筍(水煮)……300g
- だし汁……400ml
- 醤油……大さじ2
- みりん……大さじ2
- 酒……大さじ1
- 砂糖……小さじ1
- 鰹節……適量
筍の木の芽和え
筍の持ち味を生かすなら、木の芽和えが良い。柔らかく茹でた筍を薄切りにし、白味噌とみりん、すり鉢ですった木の芽を加えて和える。口に運べば、爽やかな香りがふわりと広がり、春の訪れを感じさせる味わいとなる。酒肴にも、箸休めにもふさわしい一品だ。
材料(4人分)
- 筍(水煮)……200g
- 木の芽……10枚
- 白味噌……大さじ2
- みりん……小さじ2
- だし汁……大さじ1
筍ご飯
筍の旨味を余すことなく味わうなら、やはり筍ご飯が一番だ。米を研ぎ、出汁と醤油、みりんで味をつける。そこへ、細かく切った筍を加え、炊き上げる。炊きたての香ばしい匂いに誘われ、思わず茶碗を重ねてしまうほどの美味さである。仕上げに刻んだ三つ葉を散らせば、見た目にも春の風情が漂う。
材料(4人分)
米……2合
筍(水煮)……150g
だし汁……400ml
醤油……大さじ2
みりん……大さじ1
酒……大さじ1
塩……小さじ1/2
三つ葉……適量

筍と鶏肉の煮物
筍の歯ごたえと、鶏肉の旨味が絡み合う煮物もまた格別だ。鍋にだし汁を張り、筍と鶏もも肉を静かに煮ていく。醤油、みりん、酒を加え、じっくりと味を染み込ませる。噛むほどに、筍の香りと鶏の脂が渾然一体となり、ついつい盃を重ねたくなる味わいである。
材料(4人分)
- 筍(水煮)……300g
- 鶏もも肉……200g
- だし汁……400ml
- 醤油……大さじ2
- みりん……大さじ2
- 酒……大さじ1
- 砂糖……小さじ1
筍の天ぷら
筍を天ぷらにすると、その甘みと香ばしさが際立つ。軽く塩を振った筍を天ぷら衣にくぐらせ、カラリと揚げる。揚げたての衣に齧りつけば、中から筍の瑞々しい旨味が広がる。抹茶塩を添えて、熱々をいただけば、まさに春のご馳走である。
材料(4人分)
- 筍(水煮)……200g
- 天ぷら粉……100g
- 冷水……150ml
- 揚げ油……適量
- 塩……適量
- 抹茶塩……適量
筍というものは、ほんのひとときしか味わえぬ、春の恵みである。江戸の人々も、春の訪れを喜び、この筍を肴に盃を交わしたことだろう。今宵もまた、この瑞々しき山の幸を、心ゆくまで楽しもうではないか。