日本には春夏秋冬の四季があり、その季節になると様々な野菜や果物や魚介類が旬を迎えます。
それら食材は、一年を通してエネルギーが高く栄養豊富で、何よりも一番美味しく頂ける時期です。
旬の食材を食べることで地球のエネルギーの循環サイクルに乗っかり、栄養価の高い食材を摂ることが出来ます。そうすることでいつまでも健康を維持することが出来るのでないかと考えます。
では、文月にはどんな旬の食材があるのでしょうか。
茄子
茄子は、8世紀ごろ(奈良時代)に中国から日本へ伝わり、1300年もの歴史があります。平安・鎌倉時代から身近となり、江戸時代には種類も増え、庶民の食卓で親しまれる野菜となりました。
茄子は青森、京都、茨城では年間消費量が多い。青森、茨城では生産量が多く、また京都ではブランド野菜として生活や食文化に根付いているところから消費量が多いと考えられています。
そして日本人として見た場合、年間で平均12〜13個ほど食べているそうだ。と言うことは、月に1個は茄子を食べている事になるが皆さんは如何だろうか。
個人的にはもっと食べている印象があるのだが。
茄子の栄養と健康効果
茄子(なす)は夏野菜の代表格で、低カロリーながら体にうれしい成分を多く含んでいます。日本の昔ながらの食養生では、茄子は「陰性の食べ物」とされており、体の熱を冷ます野菜として夏場に重宝されてきました。
ナスニン(ポリフェノール)
茄子の皮に多く含まれる紫色の成分。抗酸化作用があり、細胞の老化や生活習慣病を防ぐ働きが期待されます。血管を守り、眼精疲労にも効果があるとされています。
食物繊維
腸内環境を整え、便秘予防に役立ちます。血糖値の急上昇やコレステロールの吸収を抑える作用も。
カリウム
体内の余分な塩分を排出し、むくみや高血圧の予防に効果的です。
ビタミンB群(B1・B6など)
疲労回復や神経の働きをサポートします。エネルギー代謝にも関与。
茄子を使った料理
焼き茄子
夕暮れ時、炭を熾し、茄子を丸ごと網に乗せる。 ぱち、ぱち、と皮がはぜる音に、夏の名残が感じられる。 焼き上がった茄子の皮をそっとむき、出汁醤油にひたす。 削りたての鰹節、大根おろし、そして生姜を少々。 冷たくしてもよし、ぬる燗を添えてもよし。 皿の上に、しんと佇む姿に、 料理というより、もはや風情が宿る――そんな一皿。
レシピ(4人前)
- 茄子 … 4本
- 鰹節 … 適量
- 大根おろし、生姜おろし … 各適量
- 出汁醤油 … 適量
茄子の揚げびたし
薄切りの茄子が、油の中で花開くように揚がってゆく。 そこへ、出汁、醤油、味醂で引いたつゆを張り、 茄子をじっくりと沈ませる。 冷蔵庫で冷やしても、温かいままでも。 しっとりと油を含んだ茄子が、つゆの旨味をすいこみ、 口に含めば、じゅわりと滲む滋味がなんとも言えぬ。 こういう小鉢があるだけで、 食卓の格がひとつ上がる気がするものである。
レシピ(4人前)
- 茄子 … 3本(縦半分に切って斜め切り)
- 出汁 … 300ml
- 醤油 … 大さじ2
- 味醂 … 大さじ2
- 揚げ油 … 適量
- おろし生姜、刻み葱など … お好みで
茄子と味噌の田楽
木の芽が手に入れば、これがまた嬉しい。 茄子を厚めに切って、油を引いた鍋でじっくり焼く。 火が通ったところに、練った味噌を塗って、さっと炙る。 味噌の香ばしさと、茄子のとろけるような甘さが重なって、 一口で盃が進む。ふた口目には、もう箸が止まらぬ。 古くて新しい、変わらぬうまさ――こういうものが、台所には必要である。
レシピ(4人前)
- 茄子 … 2本(輪切り)
- 味噌 … 大さじ3
- 砂糖 … 大さじ1
- 酒 … 大さじ1
- みりん … 大さじ1
- 木の芽(あれば) … 適量—

茄子と豚肉の味噌炒め
火を通した茄子が、豚の脂をまとって輝きだす。 味噌とみりん、少々の豆板醤で、ほんのり甘辛く。 白飯を呼ぶ味でありながら、 冷酒にもよく合うという不思議な一皿。 飯にも、酒にも、どちらにもつくという、 なんとも律義な肴でございます。
レシピ(4人前)
- 茄子 … 3本(乱切り)
- 豚バラ肉 … 200g(細切り)
- 味噌 … 大さじ2
- みりん … 大さじ1
- 醤油 … 小さじ1
- ごま油 … 大さじ1
- 豆板醤(お好みで) … 小さじ1
茄子というもの、火を入れてこそ花が咲く。油を含み、香り立つその姿に、「茄子を制する者、夏の膳を制す」と言いたくもなる。