日本には春夏秋冬の四季があり、その季節になると様々な 野菜や果物や魚介類が旬を迎えます。
それら食材は、一年を通してエネルギーが高く栄養豊富で、何よりも一番美味しく頂ける時期です。
旬の食材を食べることで地球のエネルギーの循環サイクルに乗っかり、栄養価の高い食材を摂ることでいつまでも健康を維持することが出来るのでないかと考えます。
では、葉月にはどんな旬の食材があるのでしょうか。
蓮根
蓮(はす)の花は「泥中に咲く清浄の花」として仏教で尊ばれ、日本には仏教とともに広まりました。
蓮根を食材として本格的に利用するようになったのは比較的後で、江戸時代に庶民の食文化として根付いたと考えられます。

蓮根の栄養と健康効果
■ ビタミンC
働き:抗酸化作用を持ち、免疫力を高める
健康効果:風邪予防、肌の健康維持、
疲労回復ポイント:レンコンのビタミンCはデンプンに守られており、加熱しても壊れにくい
■ 食物繊維
働き:腸の働きを整える
健康効果:便秘の改善、腸内環境を整え、生活習慣病予防に役立つ
■ カリウム
働き:余分なナトリウムを排出する
健康効果:高血圧の予防、むくみ改善
■ ポリフェノール(タンニン)
働き:抗酸化作用や収れん作用を持つ
健康効果:炎症を抑える、胃腸の粘膜を守る、止血作用に関与
■ ビタミンB
群働き:エネルギー代謝を助ける
健康効果:疲労回復、神経の働きをサポート
レンコンは、免疫力を高めるビタミンCや便秘解消に役立つ食物繊維が豊富で、体調を整える食材です。カリウムによって血圧を安定させ、ポリフェノールが抗酸化や胃腸のケアにも効果を発揮します。風邪予防や美容、生活習慣病対策にも役立つ野菜です。
蓮根を使った料理
■蓮根のはさみ揚げ
蓮根の穴を覗けば、秋の気配が忍び込む。 挽き肉を詰めて油で揚げれば、外は香ばしく、中はふっくらと仕上がる。
歯を入れたときの「シャクリ」とした食感に、肉の旨みが重なって、盃が自然と進む。 熱いうちに塩を少し振るもよし、からし醤油で楽しむもよし。
レシピ(4人前)
- 蓮根 … 中2節(約400g)
- 鶏ひき肉 … 250g
- 玉ねぎ … 1/4個(みじん切り)
- 生姜 … 少々(すりおろし)
- 塩 … 少々
- 醤油 … 小さじ1
- 片栗粉 … 適量
- 揚げ油 … 適量

■蓮根のきんぴら
薄切りにした蓮根を、胡麻油で炒める。砂糖と醤油を軽くまぶして、唐辛子をひとつ。 シャキリとした歯ごたえに、甘辛さが絡みつく。
白い飯の友としても、冷めてから酒肴としても、妙味は尽きぬ。
レシピ(4人前)
- 蓮根 … 中1節(約200g)
- 鷹の爪 … 1本
- 胡麻油 … 大さじ1
- 醤油 … 大さじ2
- 砂糖 … 小さじ2
- みりん … 大さじ1
- 白ごま … 適量

■蓮根のすり流し汁
すりおろした蓮根を、出汁に溶き入れる。 とろりとした口当たりが、冷えた身体を内から温める。味噌を少し溶いてもよし、塩だけで澄まし仕立てもよい。
蓮根のほのかな甘さが、椀の中にしみじみと広がる。
レシピ(4人前)
- 蓮根 … 中1節(約200g)
- 出汁 … 600ml
- 塩 … 少々
- 薄口醤油 … 小さじ1
- 味噌 … 大さじ1(お好みで)
- 三つ葉 … 適量
■蓮根と鶏肉の煮物
蓮根を厚めに切り、鶏肉とともに鍋に落とす。出汁と醤油で静かに煮含めれば、蓮根はほくほくと、鶏は旨味を増す。甘辛の味が沁みた蓮根を噛めば、じんわりと懐かしさがこみあげる。
秋の夕餉には、こうした一椀がよく似合う。
レシピ(4人前)
- 蓮根 … 中2節(約400g)
- 鶏もも肉 … 250g
- 出汁 … 400ml
- 醤油 … 大さじ3
- みりん … 大さじ2
- 砂糖 … 小さじ2
- 酒 … 大さじ2