日本には春夏秋冬の四季があり、その季節になると様々な 野菜や果物や魚介類が旬を迎えます。
それら食材は、一年を通してエネルギーが高く栄養豊富で、何よりも一番美味しく頂ける時期です。
食料品旬の食材を食べることで地球のエネルギーの循環サイクルに乗っかり、栄養価の高い食材を摂ることが出来ます。
そうすることでいつまでも健康を維持することが出来るのでないかと考えます。
では、神無月にはどんな旬の食材があるのでしょうか。
落花生
落花生と言えば千葉県が有名ですよね。
江戸時代後期に日本にやって来て明治になって本格的な栽培が始まった落花生。
でも、神奈川県の西部地域で最初に栽培されたのが有力視されています。
実際のところ神奈川県なのか千葉県なのかは未だに決着がついていないそうです。
また面白いことに全て同じなのに状態によって呼び方が違うのをご存知でしょうか。
殻付きの状態のものを「落花生」と呼び、薄皮が付いた状態のものを「南京豆」と呼び、何も無い状態だと「ピーナッツ」と呼びます。落花生の状態によって名称が変わるのは日本語らしいですね。
これが英語だと状態は違えども全て「ピーナッツ」になってしまいます。
落花生の栄養と健康
落花生は良質なたんぱく質と不飽和脂肪酸が豊富で、心臓を守る“天然のサプリメント”のような食品です。
抗酸化作用のあるビタミンEやレスベラトロールも含み、老化防止や血行促進に役立ちます。
美容にも健康にも優れた栄養価の高い食材といえます。
■たんぱく質
働き:筋肉や臓器、皮膚など体の組織をつくる
健康効果:疲労回復、代謝促進、健康な体づくりに欠かせない
■ 不飽和脂肪酸(オレイン酸・リノール酸)
働き:血中コレステロールを調整する
健康効果:動脈硬化予防、心疾患リスクの軽減
ポイント:脂質が多いが「良質な脂」として知られる
■ ビタミンE
働き:強い抗酸化作用で細胞の老化を防ぐ
健康効果:アンチエイジング、血行促進、冷え性改善
■ ナイアシン(ビタミンB3)
働き:糖や脂質の代謝を助ける
健康効果:疲労回復、皮膚や神経の健康維持
■ 葉酸
働き:赤血球の生成を助ける
健康効果:貧血予防、妊婦の健康維持に重要
■ ミネラル類(マグネシウム・亜鉛・銅など)
働き:骨や筋肉、免疫機能の維持
健康効果:骨粗しょう症予防、免疫力向上
■ レスベラトロール(ポリフェノールの一種)
働き:抗酸化作用により細胞老化を防ぐ
健康効果:生活習慣病予防、若々しさの維持
落花生を使った料理
落花生の塩ゆで
殻つきのままの落花生を、大鍋に放る。塩をたっぷり加え、じっくりと茹で上げる。湯気とともに立ちのぼる香りが、秋の台所を満たす。
熱いうちに指で殻を割り、口に運ぶ。 ほっくりとした甘みの中に、ほんのり塩の旨味が広がる。 湯気を眺めながら呑む一杯の酒――これがまた格別だ。
材料(4人前)
- 生落花生(殻つき) … 500g
- 塩 … 大さじ3
- 水 … 2リットル

落花生の味噌あえ
煎った落花生を、すり鉢で粗く当てる。味噌と砂糖、みりんを少し加え、香ばしい香りを立てながら練り合わせる。
湯がいたこんにゃくや青菜をそこへ和えれば、どこか田舎の懐かしい味わいとなる。 酒肴にも、飯の友にもなる、気の置けぬ一皿だ。
材料(4人前)
- 落花生(煎り) … 100g
- 味噌 … 大さじ2
- 砂糖 … 小さじ2
- みりん … 小さじ1
- こんにゃく、青菜など … 適量
落花生豆腐
皮をむいた落花生をすり鉢で丁寧にあたり、出汁と葛粉を加えて火にかける。焦らず、ゆっくりと練り上げると、艶やかな粘りが出てくる。 流し箱に入れて冷やし固め、切り分ける。
わさび醤油でいただけば、落花生の甘香ばしさがふっと広がり、静かな余韻を残す。 夏の名残、秋の入りにふさわしい、上品な一椀である。
材料(4人前)
- 落花生(煎り) … 150g
- 葛粉 … 40g
- 出汁 … 400ml
- 塩 … 少々
- わさび、醤油 … お好みで
落花生というものは、見た目こそ地味だが、香ばしさと甘みを兼ね備えた“滋味の王”。手をかけすぎず、火加減を見極めることで、その旨味はふくらむものです。