「あたたたたたたたーーーーー!」
「お前はもうすでに死んでいる」
「我が生涯に一片の悔いなし!!」
などの数々の名台詞が印象に残る北斗の拳は、ご存じ原作武論尊、作画原哲夫の黄金コンビで1983年から1988年まで週刊少年ジャンプに連載されいたハードボイルドアクション漫画だ。「ドラゴンボール」や「キャプテン翼」など所謂「ジャンプ黄金期」の時代の作品である。
40代~50代のおじさん達には懐かしい限りだ。
「北斗の拳」は連載後もアニメやゲームにもなり日本に留まらず、今や全世界で人気のある作品となっている。コミケなどで毎回コスプレで登場しているのも人気が衰えてない証拠だと思う。
そんな「北斗の拳」が焼酎とコラボして販売されていたとは知らなかった。
こういったアニメや特撮などメディアと他の業界のコラボレーションは、良く玩具メーカーやお菓子メーカーが得意とするところである。ウルトラマンやタイガーマスクなどのソフビのフィギュアからマジンガーZの超合金まで子供の頃は欲しくてたまらなかったヒーロー達だ。「仮面ライダー」もフィギュアもそうだが、何と言ってもおじさん達にとっての思い出はライダーガードだろう。
このライダーカードを手に入れるためにはお菓子を買わなければならない。そう、お菓子とセットで売られていたのだ。
当時カルビーがお菓子とセットで売り出すと子供達はライダーガード欲しさにこぞってお菓子を買っていた。一種の社会現象となっていた。果ては、カードだけが欲しくてお菓子は食べずに捨てられていたため、社会問題化にもなったくらい仮面ライダーは当時の子供達の憧れのヒーローだった。
余談だが、現代の仮面ライダーは昭和の昔と違って変身ギミックが凄い。玩具メーカーと強力にタイアップしているようで初回放送に合わせて生産ラインが決められているようだ。また、お値段も結構する。実際子供が買える値段とは思えない価格設定なのだ。
完全に少年時代に仮面ライダーを観ていて育った大人をターゲットにしていると思われる。
しかしギミックは凄くて、当時はベルトの風車が回転するだけのギミックだか、平成に入ってからの変身アイテムのギミックは凝っていて、更に喋ったり光ったりとやたらと賑やかなこと、まだ見たことが無いかたは一度ごらん頂くとよい。僕らがこどもの頃のオモチャとは雲泥の差だ。もはや子供のおもちゃじゃなくて大人のおもちゃだ。
欲しくなってしまっても責任は負いかねる。
さて、話が逸れてしまったが、この「北斗の拳」のラベルがまた面白い。キャラクターの絵と共に名セリフが書いてある。ファンには、どの場面でのセリフが直ぐに分かることだろう。
そんな当時のことを思い出しながら飲むのもまた一興かもしれない。
しかし、こういった60年代から80年代の子供達のヒーローがお酒のラベルとして復活するとは、当時の子供達は想像出来ていただろうか。多分想像出来てなかっただろう。僕らの前の世代のヒーローと言えば「エイトマン」や「月光仮面」や「怪傑ハリマオ」や「鉄腕アトム」だろうか、この時代の少年達が大人になったころ、果たしてこれらのヒーロー達がお酒のラベルになってただろうか。多分なってはいないと思う。
まだこの時代の人は、大人と子供の精神的境界線がハッキリしている世代だと思う。じゃないと子供の頃の体験を大人の世界に商業的に持ち込まないと思うのだ。その点、僕ら世代は少し幼稚なのかもしれない。
それはさておき、「北斗の拳」以外にも漫画のヒーローやテレビの特撮番組とコラボしている焼酎はまだあるようで、調べてみると他には、「マジンガーZ」、「デビルマン」、「ウルトラマン怪獣」、「華の慶次」、梅酒だけれど「キューティーハニー」とヒットしたではないか。
いやー、あるもんですな。
それにしても永井豪の作品が多いですな。
変わったところだと紅乙女。漫画家ではないイラストレーターとしての江口寿氏のラベルだろうか。江口寿氏はやはり漫画家の肩書きよりイラストレーターの肩書じゃないと未だに白色ワニが出てくるのだろうか。
さてさて、こんな子供の頃の想い出が大人になった今、こういったラベルの焼酎を呑むと記憶の片隅に埋もれていた思い出が甦ってくるとは。
ノスタルジーは酔う程に深まってくることだろう。
因みにお勧めの飲み方はハイボール。最近焼酎を炭酸で割って飲むのが好きになってしまった。のど越しシュワシュワでグイグイといってしまう。是非一度お試しあれ。
今宵も一献、珠には少年時代に乾杯。
最後までお読みいただきありがとうございます。