合羽橋に焼酎用のグラスを買いに訪れた際、偶然見つけた「盃屋かづち」。店構えからして、ただならぬ雰囲気。店先の口上を読んでみると、どうやら料理と日本酒にかなりのこだわりがあるらしい。開店は16時。しかしその時点ではまだ営業前だったため、一旦は目的の買い物へ。
その後、最初に目をつけていた店へ行ってみるも、まさかの定休日。仕方なく次の候補へ向かうが、料理は美味しいものの酒のラインナップが今ひとつ。そうなると、最初に見つけた「盃屋かづち」が俄然気になってくる。時計を見ると18時を回ったところ。陽はまだ残っているが、そろそろ一杯やりたくなる時間だ。
昭和レトロな純和風空間
店に到着すると、すでに賑わっている。運よく入れるか尋ねると、2階へ案内された。靴をビニール袋に入れて持参し、急な階段を上がると、畳の和室が広がる。隣の部屋とは襖で仕切られ、欄間もある純和風の造り。天井は山形に傾斜し、どこか懐かしさを感じさせる。
案内されたのは、通りに面した開放感のある部屋。8畳ほどの広さに、2畳の床の間。4卓のテーブルが配置されており、それぞれ4人ずつ座れるようになっている。照明は電球色で、夕暮れ時にはやや暗めのムーディーな雰囲気に包まれる。
まずは辛口から——福井の「常山 純米超辛口」
最初の一杯は辛口の日本酒をリクエスト。候補をいくつか挙げてもらい、その中から福井の「常山 純米超辛口」を注文。口に含むと、なるほどすっきりとしていて飲みやすい。キレのある味わいが心地よく、最初の一杯にぴったりだ。
合わせる肴は、水ナス、筍焼き、ながらみ貝。水ナスは、期待したほどの瑞々しさはないものの、やはりあると頼んでしまう。筍焼きは、ホクホク感よりもしっとりとした仕上がりで、まるで煮たような食感。ながらみ貝は、やはり日本酒との相性抜群。若干砂抜きが甘かったが、肝を避ければぷりっとした身の食感が楽しめる。

甘口の余韻——熊本の「花の香 純米大吟醸」
次の一杯は熊本の「花の香 純米大吟醸」。常山とは対照的な甘口で、グラスに注いだ瞬間からふわりと華やかな香りが漂う。ゆったりとした時間の流れとともに、盃を傾ける。
気づけば外はすっかり暗くなっていた。昭和レトロな空間で、ゆるやかに流れる時間。暑くもなく、寒くもない心地よい季節に、美酒と肴を楽しむ。こんな贅沢な時間があっていいのだろうか。
令和の時代にいながら、まるで50年前にタイムスリップしたかのような夜だった。

まとめ
「盃屋かづち」は、昭和の空気を感じられる純和風の居酒屋。日本酒のラインナップが豊富で、料理との相性も抜群。静かに飲みたい人、レトロな雰囲気を楽しみたい人にはぜひおすすめしたい一軒だ。
店舗情報
店名: 盃屋かづち
住所: 東京都台東区西浅草2-25-11
営業時間:平日: 11:30~14:00 / 17:00~23:00
土日祝: 11:30~14:00 / 16:00~22:00
定休日: 不定休
詳細情報: 食べログ / ぐるなび / ホットペッパー

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