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「ん」は後から出来た。日本語の今ある文字も昔は違った表現をしていた。音と文字にするって結構大変だった?

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音を記録する

1877年にトーマス・エジソンが蓄音機を開発してから私たちは音を記録することが出来るようになりました。以来記録した音をいつでも聞くことが出来るようになったことは歴史の知ることと思います。日本の年代で言うと明治10年からのことになります。

やがて日本にも蓄音機やレコードが輸入されて来るわけですが、どんなに古くても日本で音源が残されている時代としては明治時代以降となります。

なので江戸時代以前の日本がどんな風に喋っていたかは、音源が存在しないので聞くすべがありません。じゃあ江戸時代以前の日本人はどんな風に喋っていたか知るにはどうしたらいいのでしょうか、それは当時の文献を読みとくしかない訳でもうこれは想像の域を超えます。

江戸時代の人はどんな風に話していたのか、その前の鎌倉時代、平安時代はどんな風に喋っていたのか、1000年以上も前の日本人と現代の日本人で話しが通じるのか、興味の尽きないところではあります。

恐らくと言うか、絶対というか、500年、1000年と時代を遡ってしまえば、現代の日本人の殆んどが古文書が読めないのと同じように、仮に当時の日本人と話せたとしても、外国人と話している感じで、お互いの会話は殆んど通じないんじゃないでしょうか。

音を文字に

昭和から令和の時代の100年近くの間を見てみてもその傾向は見てとれて、それは今の50音表には無くて昔のいろは歌にはあった「ゐ」や「ゑ」の文字を見て取れることからも窺えます。

「ゐ」は「い」に、「ゑ」は「え」に、発音にあまり差がないことから戦後文字を統一してしまいました。厳密には違った発音で「ゐ」は「ui」と発音し「ゑ」は「ue」と「ウ」と言う音が発音されていたようです。まあ統一されたという事で今では完全に失われた発音になっていまいました。因みに「を」の発音も本来は「uo」と発音します。

これとは逆に、日本語の発音をどうやって文字で表すか、漢字が日本に入り最初は万葉仮名で音を表現していました。それが時代と共に片仮名が出来て、平仮名が出来て、現在に至っています。

当時は濁音、半濁音、拗音などはあっても文字としてはありませんでした。

例えば、「今日」という漢字は、現代では「きょう」と書きますが昔は「ょ」と言った小さい「よ」の文字がありませんでした。

こういった小さい「ょ」や「ゃ」などの発音を拗音と言いますが、ではどうやって当時の人は書き表したかと言うと「けふ」と書いて「きょう」と読んでました。

他にどんなものが有るかと言うと、良く知られるところだと「蝶々(ちょうちょう)」を「てふてふ」と書いてましたし、鰌(どじょう)は「どぜう」と書きました。これは食べ物屋さんで目にしたことあるかと思います。

と言うように当時は発音はあっても現代のように的確な表現をする文字がなかったのである文字を使って書いていました。

これら発音の表記は、現代人からしたら想像力を働かせないとパッと何を言ってるのかわからないですよね。

「ん」は一番最後に出来た新しい文字

そんなこんなで時代と共に文字が新しく生まれては消えて今日に至っている訳ですが、最後に「ん」の文字について。

この文字は平仮名や片仮名が出来た当時はありませんでした。「ん」と言う発音はあったのですが文字として現すことが出来ませんでした。

じゃあいつ頃「ん」と言う文字が出来たのかというと

空海が遣唐使として唐に渡った際、インドのサンスクリット文字で書かれたオリジナルの仏典を学び、そこに書かれてあった文字の中で「ん」を書き表せる文字「吽」を持ち帰ってからのことです。

最初に口をついて発する字音である「阿」、口を閉じて発する最後の字音「吽」。そこから万物の始源から終極を現す象徴としての「阿吽」の文字があったからこそ今日私たちは「ん」の文字が使えているわけなんですね。

片仮名で書かれた「ン」の文字で現存する書物が1058年の「法華経」で、平仮名の「ん」では1120年の「古今和歌集」が最古だそうです。

日本の長い歴史から見たら「ん」の文字はまだ1000年も経っていない新しい文字なんですね。

こうして考えて見ると音はあってもその音を表す文字がないと言うことは現代でもあって、近代では感情を現す文字として「あ゛」の文字が漫画などで時々登場したりしますね。

まだパソコンなどの日本語変換としての文字ではないですが、将来会話の中でこう言った発音に日本語が変化していけば、もしかして新たな文字が登場してくるかもしれません。

表意文字と表音文字で成り立つ日本語

しかし日本人は漢字・片仮名・平仮名の他にもローマ字も覚えなければならず、よくもこれだけ多くの文字を子供の頃から教わるのかと、外国人が日本語は難しいと言うのも頷けます。

日本語の素晴らしいところは、漢字があることで右脳と左脳の両方を使って文字を読むのでバランスの良い脳の発達に役立っているんじゃないかと勝手に推測しています。

これも表意文字である漢字と表音文字である片仮名や平仮名と言った文字を得たからこそと言えるでしょう。

一つの音に対して書き表せる文字が複数ある民族は日本だけです。他の国々は一つの音に対して一つの文字しか書き表すことができません。これは、やはり日本が漢字を取り入れたこと、元々の大和言葉を捨てなかったことが要因としてあげられるのじゃないかと思います。

近年残念なのは、外国語の新しい言葉が入って来ても日本語に翻訳しないでそのまま外国語の言葉で使っていること。日本が明治維新によって開国してからは西洋文明を吸収しようとして福沢諭吉を初め多くの外国語を日本語に翻訳してきました。この努力によって日本人は外国の知識を日本語で理解することが出来るようになりました。これは一重外国語の音をそのまま書き留めて置くことが出来る文字が既にあったからこそ出来たと言われています。

外国語が漢字になることで、パッと見てそれが何を言っているのか直ぐに理解できるし、解らなくても推測しやすくなる。それが外国語そのままの単語を使ってしまうと、その文字だけではその単語の意味を知らなければ全く判らず、推測もしにくいことでしょう。

個人的にはもっと外国語をそのまま使わずに日本人に分かりやすいように漢字に変換したほうがいいんじゃないでしょうか。

さて、漢字が日本にやって来て1000年以上もの長い間日本語として使って来ました。そして時代と共に漢字も変化して来ました。

英語圏の言葉が巷に溢れている今、これから先の日本語はどの様に変化して行くのでしょうか。漢字はこの先100年、1000年も日本語として生き残るのでしょうか。世界中見渡してもこんなに複雑で豊かな言語を話している民族は日本人だけですので未来永劫続いて欲しいものです。

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