日本には春夏秋冬の四季があり、その季節になると様々な野菜や果物や魚介類が旬を迎えます。
それら食材は、一年を通してエネルギーが高く栄養豊富で、何よりも一番美味しく頂ける時期です。
旬の食材を食べることで地球のエネルギーの循環サイクルに乗っかり、栄養価の高い食材を摂ることが出来ます。
そうすることでいつまでも健康を維持することが出来るのでないかと考えます。では、文月にはどんな旬の食材があるのでしょうか。
らっきょう
平安時代に唐から薬用植物として日本に伝わってきたらっきょうは江戸時代になると漬物として広まり、今ではカレーなどの付け合わせで身近な食材として親しまれています。
シャキッとした食感と爽やかな辛味か特徴のらっきょうはとても栄養効果の高く健康効果を期待出来ることをご存知でしょうか。
らっきょうの栄養と健康効果
アリシン(辛味成分)
血液をサラサラにして、動脈硬化や血栓の予防を助けます。疲労回復、免疫力アップ、食欲増進などの効果も。
食物繊維(便通改善・腸内環境の改善)
らっきょうにはフルクタンという水溶性食物繊維が豊富。お腹の調子を整え、便秘予防や善玉菌の増加を助けます。
ビタミンB群・葉酸
糖質やたんぱく質の代謝を助け、エネルギーを効率よく生み出します。妊婦さんや成長期の方の健康維持にも役立つ栄養素です。
ミネラル(カリウム、マグネシウムなど)
体内の余分な塩分を排出し、血圧を安定。筋肉・神経の働きをサポートします。
らっきょうは、血液をさらさらにして、便通や胃腸の働きをよくしてくれる野菜です。疲れにくい体をつくり、免疫力や血圧のケアも助けます。甘酢漬けなど、いろんな料理で楽しめます。
らっきょうの料理
その香り、その歯応え、漬物だけで通り過ぎるには、あまりに惜しい素材でございます。塩で漬ければ初夏の風味、酢で漬ければ通年の伴となる。されど、火を入れてもよし、和えものにしてもよし、案外、器の中で姿を変えるものなのです。
らっきょうの甘酢漬け
六月、雨の合間を縫って、台所でせっせと漬ける。 洗って、薄皮をむいて、塩で一晩。次の朝、酢と砂糖で漬ければ、あとは待つだけとなる。
一週間もすれば、清々しい香りが立つ。つまめば、カリリと歯が鳴り、舌先から喉へと爽やかさが抜ける。 そのままもよし、酒の肴もよし、細かく刻めばタルタルソースの名脇役となる。 一瓶、二瓶と漬けても、あっという間になくなるものだ。
レシピ(4人前)
- らっきょう … 500g
- 塩 … 大さじ2
- 酢 … 300ml
- 砂糖 … 150g
- 唐辛子 … 1〜2本

らっきょうの肉巻き焼き
漬物だけが、らっきょうの身上ではない。 豚肉で巻いて、焼きつければ、甘酢の香りと肉の脂がまとわり合う、妙味となる。 漬けたらっきょうを薄切りの豚肉で巻き、粉をうっすらまとわせ、油を引いた鍋で焼きつける。
仕上げに醤油とみりんをからめれば、照りが出て、ほんのりとした甘辛味がつく。 一口、噛めば、酢漬けの甘酸が肉のうまみに交わる――その瞬間、盃が進まざるをえない。
レシピ(4人前)
- 豚バラ薄切り肉 … 300g
- らっきょうの甘酢漬け … 12粒
- 薄力粉 … 適量
- 醤油 … 大さじ1
- みりん … 大さじ1
- サラダ油 … 大さじ1
らっきょうの酢味噌和え
漬けたてのらっきょうを、ほんの少しだけ手を加え、粋に食うのも一興。 白味噌、酢、和辛子を合わせて酢味噌をつくり、薄切りのらっきょうを和えれば、立派な肴となる。 甘酸の中から、ほんのり辛味が立つ。日本酒の友として、これ以上のものもあるまい。 そのままでも、刺身の添えものにしてもよい。
レシピ(4人前)
- らっきょうの甘酢漬け … 12粒(薄切り)
- 白味噌 … 大さじ2
- 酢 … 大さじ1
- 砂糖 … 大さじ1/2
- 和辛子 … 小さじ1/3
らっきょうの天ぷら
もし、漬けたものが余れば、天ぷらなども面白い。 甘酢で漬けたらっきょうの身を、薄衣でからりと揚げれば、 酸味がやわらぎ、身の甘みに一層、品が出る。 粗塩でつまめば、口中で温と冷、甘と塩、酢の香りが交差して、 一杯、また一杯と、止まらぬ酒となる。
レシピ(4人前)
- らっきょうの甘酢漬け … 12粒
- 天ぷら粉 … 適量
- 冷水 … 適量
- 揚げ油 … 適量
- 塩 … 少々
らっきょうというもの、漬物だけで終わるものではない。漬けても、焼いても、和えても、揚げても、その身の中から、姿を変え、香り立つ。「たかが、らっきょう」。そう笑うものがあれば、ぜひ一皿、出してやりたいものです。