日本には春夏秋冬の四季があり、その季節になると様々な野菜や果物や魚介類が旬を迎えます。それら食材は、一年を通してエネルギーが高く栄養豊富で、何よりも一番美味しく頂ける時期です。旬の食材を食べることで地球のエネルギーの循環サイクルに乗っかり、栄養価の高い食材を摂ることが出来ます。そうすることでいつまでも健康を維持することが出来るのでないかと考えます。では、睦月にはどんな旬の食材があるのでしょうか。
春菊
子供の頃はその独特な香りと味で苦手な野菜の春菊。
何時しか大人になって食べてみると、意外と美味しく感じはじめ、今では好きな野菜の一つとなった春菊。
江戸時代にはシルクロードを経て中国から日本に伝わったとされています。
当初は観賞用や薬用として用いられていましたが、その後食用として栽培されるようになり、明治になるとお鍋には欠かせない野菜の一つとなりました。
春菊の栄養
春菊はその昔、薬用として用いられていて『食べる風邪薬』とも言われるくらい高い栄養価があります。
β-カロテン
特徴: 春菊には豊富なβ-カロテンが含まれ、体内でビタミンAに変換されます。
効果: 視力の維持、肌や粘膜の健康維持、免疫力強化に役立ちます。
ビタミンC
特徴: 抗酸化作用のある栄養素で、熱にも比較的強いです。
効果: 免疫力向上、肌の健康維持、風邪予防。
鉄分
特徴: 貧血を防ぐために役立つ栄養素。
効果: 疲労回復やエネルギー代謝を助ける効果があります。
カリウム
特徴: 体内のナトリウムを調整する働きがあります。
効果: 高血圧予防やむくみ解消に効果的。
食物繊維
特徴: 水溶性・不溶性どちらも含まれるバランスの良い繊維質。
効果: 腸内環境を整え、便秘の改善に役立ちます。
クロロフィル(葉緑素)
特徴: 春菊特有の緑色成分。
効果: 抗酸化作用やデトックス効果が期待できます。
春菊を使った料理
春菊を使った簡単で美味しい料理春菊は独特の香りとほろ苦さが特徴で、シンプルな調理法でその風味を活かせます。ここでは春菊を使った料理をいくつかご紹介します。
春菊とツナのサラダ
朝市で手に入れた新鮮な春菊。さっと洗いざく切りにし、ツナと醤油、ごま油で和えるだけの簡単な一皿。皿に盛り付けた時、その青々とした春菊の緑が食卓を鮮やかに彩る。この料理には冷酒か、軽く冷やした白ワインを合わせたくなる。春菊の香りがツナの旨味を引き立て、箸が止まらない。
材料(4人分):
- 春菊(生)……1束(約200g)
- ツナ缶(オイル漬け)……1缶(80g)
- 醤油……大さじ1
- 酢……大さじ1
- ごま油……小さじ1
春菊と豚肉の蒸し焼き
豚バラの脂がじんわりと春菊に染みる、シンプルだが豪胆な一皿。鍋を用意し、豚肉と春菊を交互に重ねて酒を垂らし、中火で蒸す。その湯気の香りが立ち昇るのを眺めながら、箸休めに漬物をつまむ。仕上がった料理は、余計な調味料を使わないからこその旨味。熱々をほおばれば、豚肉と春菊が織り成す自然の味わいに、ほっと心が和らぐ。
材料(4人分):
- 春菊……1束
- 豚バラ肉……200g
- 酒……大さじ2
- 塩、こしょう……各少々
春菊としらすの混ぜご飯
春菊としらす。この取り合わせがこんなにも美味しいとは、作り手も思いがけなかった。炊きたてのご飯に、茹でた春菊の香りとしらすの塩味を混ぜ込む。最後に白ごまをふるえば、見た目も香りも豊かだ。これは台所での新しい発見。簡素な料理だが、食べる者をほっとさせる不思議な力がある。
材料(4人分):
- 春菊……1束
- しらす……100g
- ご飯……2合
- 醤油……小さじ2
- 白ごま……適量
春菊のポタージュスープ
春菊を使ったクリームスープは、少々意外かもしれない。だがその意外性こそが、この料理の楽しみなのだ。玉ねぎをバターでじっくり炒め、春菊を加えてミキサーで滑らかに仕上げる。濃厚なクリームと春菊の風味が一つになったスープは、心の芯まで温めてくれる。白いスープ皿に映える春菊の緑もまた、目を楽しませてくれる一品である。
材料(4人分):
- 春菊……1束
- 玉ねぎ……1個
- 牛乳……400ml
- コンソメ……1個
- バター……20g
- 塩、こしょう……各少々
春菊は主役にも引き立て役にもなれる万能野菜です。これらの料理を試して、ぜひその魅力を楽しんでください!