導入:正しさに違和感はないか
一日三食が理想。摂取カロリーは〇〇kcal。栄養バランスはこうあるべき。そういった「正しさ」は、すでに世の中にたくさんあります。もちろん、それ自体が間違っているわけではありません。ただ——それをそのまま続けて、しっくり来ているかというと、少し話は変わってきます。正しいはずなのに、どこか合わない。そんな感覚を覚えたことがある人もいるのではないでしょうか。
■ 人は同じではない
考えてみれば当たり前のことですが、人はそれぞれ違います。年齢や体格、生活リズム。体質や代謝のクセも、人によってさまざまです。同じものを食べても、軽く感じる人もいれば、重く感じる人もいる。そう考えると、「これが正解」と一つに決めてしまうことのほうが、少し無理があるのかもしれません。
■ ここまでの整理
ここで、これまでの話を少し振り返っておきます。第1弾では「情報」について。まず知らなければ、選ぶこと自体ができません。第2弾では「選び方」について。お金の多い少ないよりも、何を選ぶかで結果は変わってくる、という話でした。そして今回のテーマは、その先です。
■ 自分の基準を持つということ
情報を知り、選び方を考える。それだけでも、食事はだいぶ変わってきます。ただ、最終的に必要になるのは、もう一歩先の視点です。それが「自分の基準」です。食べたあとにどう感じるか。無理なく続けられるか。翌日の体の軽さや重さはどうか。そういった小さな感覚を見ていくことで、少しずつ「合う・合わない」が見えてきます。
■ 欲との付き合い方
もう一つ、避けて通れないのが「嗜好」の話です。人は理屈だけで食べているわけではありません。美味しいものを食べたいと思うのは、ごく自然なことです。だからこそ、それを無理に抑え込もうとすると、どこかで苦しくなってしまう。大事なのは、我慢することではなく、付き合い方です。好きなものを食べる日があってもいい。その前後で少し整える。それくらいの余白があったほうが、結果的には続いていきます。
■ 情報と反応のあいだで
ここで少し整理しておきます。情報が大事なのか。それとも、自分の感覚が大事なのか。おそらく、そのどちらかではありません。情報は、選ぶためのヒントになります。そして実際に食べたあとの反応が、自分に合っているかを教えてくれます。その繰り返しの中で、少しずつバランスが見えてくる。そんなイメージのほうが近い気がします。
■ 正解を探さなくていい
つい「正解」を探したくなるものですが、食事に関しては、なかなかそう単純ではありません。誰にでも当てはまる一つの答えがある、というよりは、それぞれにとっての「ちょうどいい状態」がある。そう考えたほうが、しっくり来る場面も多いはずです。
■ 健康は整えていくもの
ここまでの話をまとめると、健康は固定されたものではない、ということになります。日によって体調は変わりますし、生活も変わっていきます。その都度、少しずつ見直しながら、整えていく。派手さはありませんが、その積み重ねが、結果として状態をつくっていきます。お金があれば解決する、というものでもなければ、知識があれば終わり、というものでもありません。
■ 結び
第1弾では「情報」第2弾では「選び方」そして第3弾でたどり着くのは、「整えていく」という考え方でした。完璧である必要はありません。ただ、何となく選ぶのをやめてみる。それだけでも、少しずつ変わっていきます。情報をヒントにしながら選び、自分の身体の反応を見て、整えていく。その繰り返しが、食事を自分のものにしていくのだと思います。
■ 一行で
健康とは、情報をヒントに選び、自分の身体に合わせて整えていくことである。